GRIT やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける 〜書評〜

GRIT

 

GRIT やり抜く力
〜人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける〜

 

(著者)アンジェラ・ダックワークス
(出版社)ダイヤモンド社
(発行年)2016年9月
 
 
 

 

序章
著者であるアンジェラ・ダックワークスさんは、
この人生のあらゆる成功を決めるのは
「才能」ではなく「グリット=やりきる力」
であることを発見する。
 
 

人生で何かを成し遂げるのは
「生まれ持った才能」よりも、
「情熱」と「粘り強さ」よって
決まる可能性が高い。

 

 
何かを成し遂げるために必要なのは
目の前にある「やり遂げたい」ことを
実現しようとする心=情熱と、
実現のために諦めない「粘り強さ」、
この2つがあれば、誰もが成功することは
可能となる。

 

成功者と言われる人は
「生まれ持った才能」があったから
成功したわけではない。

 

むしろ
「生まれ持った才能」とは
「成功者」と言われている人が何か
偉業を成し遂げた後に第3者がその人を
評価する際に使う言葉であり、

 

何かを始める前から
「生まれ持った才能があるから成功できる」

とは言わない。

 

「自分には才能がないから成し遂げられることはない」と
思っている人にとって、この「グリット」の考えと
メゾットを実践することで、

 

自身を別な次元へ高めてくれることを
可能にすることを教えてくれる、
「勇気と元気が出る」本である。

 

本書の大まかな構成は以下の通りである。

 

セクション1 「やりぬく力」とは何か
→「やりぬく力」の秘密と見極め方、引き出し方法。
「努力」と「才能」を引き出す「達成の方程式」

 

セクション2 「やりぬく力」を「内側から引き出す」方法
→「興味」を結びつける、成功する練習方法、目的を見出し、希望を作ること
で自身の「背中」を押す。

 

セクション3 「やりぬく力」を「外側から引き出す」方法
→自分の能力を引き出し、支援し、励ましてくれるメンターを見つけることと
最強の「チーム」に所属すること

 

 

▼セクション1 情熱と粘り強さを作るのは

・ 「自分が何を求めているのか(ようするに結果)を理解しており、
決意だけでなく、方向性も定まっている。

やりぬく事はどんな分野にとっても必要不可欠であり、やりぬく力と
才能はイコールではない。

 

・ 情熱と粘り強さを持つ人の行動特性は、才能のないものはすぐに問題を
解けなくても諦めずに挑戦した。

そしてわからないことは質問した。その結果十分な努力を積み重ねれば
きちんとできるようになる。
ダーウィンは
「人間の知的能力に大した差はない。差があるとすればそれは熱意と努力」
と言っている。
逆に才能に目を向けると努力に目がいかなくなる。

 

・ 「最高のパフォーマンスは、無数の小さなスキルや行動を
積み重ねた結果として生み出される。
それは本人が意識的に習得するスキルや、試行錯誤する中で
見出した方法などが、周到な訓練によって叩き込まれ、習慣となり、
やがて一体化したものなのだ。

やっていることの一つひとつには超人的なところはなにもないが、
それを継続的に正しく積み重ねていくことで生じる相乗効果によって、
卓越したレベルに到達できる」—ダニエル・F・チャブリンズ

 

 

<<「情熱」と「粘り強さ」がわかるテスト>>

・やりぬくには自分が本当に好きなことに打ち込むこと。
情熱とはひとつのことにじっくりと長い間取り組む姿勢

・やりぬく根底には哲学が必要
→すべての目標を束ねる、すべての目標を貫く目的が必要

・「仕事」のピラミッドの頂点の目標は一つだけにする。

 

■ウォーレンバフェットの目標達成法

・仕事の目標を25個紙に書き出す

・自分にとって何が重要かを考え、最も重要な5つに丸を付ける

・丸をつけなかった20個の目標に目を焼き付け、それには今後絶対に関わらない。

・一旦取り組んだものは気まぐれに止めない

・意志力の強さ、粘り強さ、一旦目標を決めたら、守り抜こうと心に誓っている。

 

■「やり抜く力」は伸ばせる

・興味・練習・目的・希望を持てば、やりぬく力が持てる。

・「重要度の低い目標」と「重要度の高い目標」の違いを明確にする。

・ 今までと異なる環境に身を置く。
慣れない状況の中で頑張っていくうちにやがて新しい考え方や行動が習慣となる

 

■「やりぬく力を強くする4ステップ」

興味→自分のやっていることに心から楽しむ。
楽しんでこそ、情熱が生まれる。
目標に向かって努力することに喜びや意義を感じる。

練習→日々の努力を怠らない。わきめもふらずに打ち込み、自分のスキルを
上回る目標を設定してそれをクリアにする練習が必要である。

情熱→自分の仕事は重要だ、との確信を持つ。
自分の仕事は個人的に面白いだけではなく、他の人々のためにも絶対に役立つ、
と思えることが必要。

希望→希望は困難に立ち向かうための粘り強さ。困難にぶち当たり、
不安になってもひたすら自分の道を歩み続ける姿勢が重要

 

■4ステップの結論

「興味」「練習」「情熱」「希望」は「あるかないか」の
性質のものだけでなく、興味の対象を自分で見つけ、興味を深めることができ、
鍛錬の習慣も自分で身につけることが可能。

目的意識を養い、深い意義を感じることもでき、希望を持つことも学ぶことができる。

 

▼セクション2 「やり抜く力」を内側から伸ばす

■「興味」を結びつける
→情熱を抱き、没頭する技術。
人は自分の興味に合った仕事をしている方が仕事の満足度がはるかに高い。

・自分の仕事が楽しいと思う時の方が業績は高くなる
→自分の本来の興味のある職種についている人たちは、業績もよく、
協力的で離職率も低い

・興味は内省ではなく、外との交流によって生まれる。
無理やり好きになってもうまくいかない。
何か新しいことを初めても「自分はこれに興味がある」と思うのは早計である

 

■成功する「練習」の法則
やっただけ成果の出る方法→エキスパートは意図的な練習をする。

☆意図的な練習をする3つの流れ

1)1点に的を絞って得意なところを伸ばすのではなく、具体的な弱点の克服に勤める

2)自分のパフォーマンスの後、熱心にフィードバックを求める。
うまくいかなかった部分よりもうまくできなかった部分は速やかにフィードバックを
求め、うまくいかなかった部分にしっかりと対処する。

3)改善すべき点はわかった後はできるようになるまで何度も繰り返し練習する。
以前はできなかったことがすんなりできるようになるまで。できないと思っていたものが
考えなくてもできるようになるまで。毎日同じ習慣を繰り返し行うこと

 

■「目的」を見出す
「鉄人」と言われる人は必ず「他者」を目的にする

★目的を見つける3つの要件

1)「今、やっている仕事が社会にとってどのような役に立つか」を考える

2)今の仕事がなるべく自分にとって一番大切な価値観につながるよう、
ささやかでも意義のある変化を起こしていく

3)目的を持った手本から、インスピレーションをもらう。

 

■「希望」が背中を押す
・「もう一度立ち上がれる」考え方をつくる。そのために必要なことは楽観的に考えること。

・今はできなくても諦めないで粘り強く挑戦すればできなかったことができるようになる。

・ 人間は何でもやればうまくいく。人は成長する。そして人の助けを借りて、何度でも立ち直れる。

 

▼セクション3 「やり抜く力」を外側から伸ばす

・「やりぬく力」を持った人は必ず人生の中で絶妙のタイミングと適切な方法で導き、
目標を高く持って励ましてくれた人との出会いがある。それはやりぬくために
必要な「自信」を与え、目標を達成するために惜しみ無い「支援」をしてくれる

・「課外活動」すなわち「本業」以外のことも積極的に取り組むべし
「1年以上継続」と「進歩経験」の衝撃的な効果
→課外活動を取り組んでいくうちに周りの人から多くのことを学ぶ。
いろんなことを学んでいくうちに「何をやらなければいけないか」の優先順位がわかるようになる。

・まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう
〜人が大きく変わる「もっとも確実な条件」とは?〜

・自分のやりぬく力を強化したいのなら、「やりぬく力」の強い文化を見つけ、その一員となること。

・リーダーの立場となり、組織のメンバーの「やりぬく力」を強化したいのなら、
「やりぬく力」の強い文化を作り出す。

 

・最後に
〜人生のマラソンで真に成功する〜

・やりぬく力は延ばせる。

・「やりぬく力が強い」ということは一歩でも前に進むこと

・やりぬく力が強いということは興味のある重要な目標に粘り強く取り組むことができる

・やりぬく力が強いと七回転んでも八回起き上がることができる。

 

 

【参考になったこと】

●「やりぬく力」をつけるために必要なことは

・情熱を持って取り組めることを見つけること

・日々やるべきことを習慣化すること

・メンターを見つけ、そのメンターからフィードバックをもらうこと」

・出来ない部分をできるようにすることで「出来なかったこと→出来るよう」にすること

・ 一人ではなく、最高のチームと環境に所属し、実践し続けること。

●やみくもに努力してはいけない。「結果の出る努力のやり方」は存在する。

それも誰にでも再現可能なものである。結果の出る努力を続ける事により、
やりきる力が身につき、自身の望むべき結果を手にする事が出来る。

 

【置き換えられること】

● 行動を習慣化させる

→日々のルーティーンとして取り組むことで、出来なかったことを出来るようにすることが
やりきる力をつける上で必要なことがわかった。

● 「なりたい自分を実現するための日々の行動の「逆算ダンドリ」と「記録」をつける

→何も戦略を考えずに行ってもやりぬく力はつかない。

ゴールからの「逆算ダンドリ」と日々の行動の「記録化」により、自分の現在の立ち位置と
理想とする目標へのギャップを明確にする。

● 「なぜ、それを行うのか」を日々考えて行動する

→「情熱が持てる事」に取り組むためには、「なぜ、それをやるのか」と同時に
「それを実現した後は自分がどのようになっているのか」の「青写真」を
毎日イメージする事が必要。「未来のなりたい自分」があるからこそ、
「やりぬく力」が自然と身についてくる

● 起業家は「お客様の問題解決を行う存在である事」を自覚する。

● 「他者目線」で物事を考える。

●メンターを真似る。

● 成長を加速させるために、メンターへの「報連相」を毎日行う。

→日々の「報連相」を行う事で、自分の弱点と克服すべき課題を提示される事により、
成長スピードを早くする。

● やるべき事を明確にする。やらなくても良い事は捨てる。